https://news.yahoo.co.jp/pickup/6306722
→12/14(金) 15:33 yahooニュース「(共同通信)アマゾン、メルカリが経団連加盟」
経団連がアマゾンジャパンやメルカリをメンバーに加入させる方針である、とのこと。これ自体はいいことだと思う。経団連もレガシー企業を中心とした同質的な既得権益団体から、新興企業のカルチャーを反映した団体に次第に生まれ変わっていってもらえればと願う。
とはいえ、それが簡単に進む、とも思えない。
前述の新興企業たち「とて」、いや、「こそ」、と言ってもいいかもしれないが、その従業員たちは皆、エリートだ。新興IT企業は都内の瀟洒なビルの恵まれた環境で仕事しており、すでに高い利益率を持つ出来上がったビジネスモデルを少しずつ改良しながらイノベーティブ(?)なる仕事に従事している。偏見かもしれないが、トップ層以外はコスト意識は希薄で、自分たちがいかに恵まれた環境下で働いているかを骨身に滲みるレベルでは自覚していないだろうし、自分たちがエリートであることを当然のことと自覚しているはずだ。
完全に偏見なので甚だ自分勝手な考えで恐縮だが、自分はそういう人種には、真のイノベーションは起こせない、と思っている。
自分は、「日本はもっとベンチャーを大事にすべきだ」という言い方をよくする。そこでいうベンチャーというのは、基本的には従業員ではなく、社長であり、事業推進者たちだ。先ほど、恵まれた環境下で自身をエリートと自覚するような人にはイノベーションは起こせない、と書いたが、当然、社長の場合は除外される。もし都内のきらびやかなインキュベーションオフィスなどでさっそうと働いていたとしても、経営者であれば、当然、資金調達で苦労していたり、事業の先行きについて日々株主らからのプレッシャーにさらされたりしていて、(当然だが)当事者意識をきちんと持っているからだ。
自分は、このご時世、大企業の従業員、というのが一番厄介な存在だと思っているし、多くの経団連企業のトップはいわゆるサラリーマン経営者なので、サラリーマン的モチベーションを払拭できないのが日本の経済停滞化の遠因とさえ思っている。
なので、いくら新興企業がメンバーに入ろうが、サラリーマン的モチベーションを根底から変革できないようでは、やはり依然として経団連には期待できないと思う。
とはいえ、それでもこの新規メンバー増加の方向性はいいことだと、再度、書いておく。
さて、ここやここで、自分の「官民一体となって」アレルギーについて書いたが、今、政府は「2023年までに20社のユニコーンを創出する」ことを成長戦略の目標に明示し、自分は知らなかったが今年の6月には経済産業省が主体となった官民連携のスタートアップ育成・支援プログラム「J-Startup」が開始されているようだ。
https://forbesjapan.com/articles/detail/24038
→11/22 Forbes Japan「今後の日本を支える、スタートアップのあり方とは? 2023年までに20社のユニコーン創出へ」
このプログラムでは、スタートアップ企業の支援を政府が大企業が“サポーター”となって行う、というもので、有識者の審査・お墨付きを与えたスタートアップのベンチャーを大企業が資本参加した上で経営参画し、支えていこう、というものだ。
大企業とスタートアップの競創、ということで、身動きのいいベンチャーと地道に研究開発を行ってきた大企業の“埋もれた”部門を結びつける、といったことがこのプロジェクトの狙いらしい。
これも、非常にいいことだと思う。素晴らしい、とも思う。ただその反面、「方向性はいいけれど、実際にうまく回るのだろうか?」という懸念があるのも事実だ。
例えば、経営の独立性はきちんと担保されるのだろうか? 経営者のフリーハンドはどの程度確保されるのか? 大企業がガバナンス面は担うとして、実務面でベンチャー側の自由闊達さと大企業の優秀なスタッフとの融合はうまく図れるのか? などなど。おそらく、ケースバイケースなのだろうし、すべてのジョイントがうまくいかない、などということはないだろうが。
~文章の途中ですが、「営業」です~
ちなみに、上記の記事に、以下のような記述があります。
「スタートアップが大企業のアセットを活用し、さらなる成長を図る──その必要性は昔から叫ばれているものの、現実はそう簡単ではない。アメリカはM&Aによるイグジットが9割だが、日本はM&Aの数は少ない。その理由は、スタートアップと大企業によるM&A後の「PMI(ポスト・マージャー・インテグレーション)」がうまくいっていないことが挙げられるだろう。」
最近は大企業による新興企業の子会社化事例は増えてきており、また、日本でもバイアウトによるイグジットは急増しています。
それでも、ここにあるようにPMIの重要性が大きいのは事実だと思います。M&A事業者は仲介型が多いですし、仲介の後にクライアントからクレームも想定されるPMIをM&A事業者が本気になって行うのはハードルが高いと思います。
当社(ライフ・イズ・エンタテインメント合同会社)はM&A仲介とは直接関係がないビジネスですが、「買収(あるいは子会社化)前と後の従業員のモチベーションを可視化し比較するPMIのサポートツールを提供する」ことができます。
株式会社ディジットの「BBA on Cloud」は企業の従業員と管理者のモチベーションや順法精神などの各項目から組織の問題点をあぶりだし、経営改善をサポートできるツールです。私どもは同社のSolution Partnerです。
~以上、「営業」終わり~
→その2へ
[…] ここ(「いいと思います。あとは・・・」)やここ(「『データ覇権争いと日本』からの雑感」)、ここ(「シンガポールのネット銀行にe-スポーツ企業が参入」)やここ(「「変われない」のか「変わりたくない」のか」)などでずっと書いているように、「ベンチャー企業を生み、育てる」「ベンチャースピリットを持った人材を貴ぶ」「そのためには変な年齢差別も行わないようにする」べし、と自分が提言するのは、さすがにそろそろ変わらないと日本が立ち直れないぐらい没落してしまうという危機感があるからだ。 (しかも、その場合、自分のような不安定な立場にいるものの方が“本来、変わらなければならない”方々より著しく大変なことになってしまうのだ) […]