【悔しい思い出】
これは、仮想通貨やICOとは全く異なる話なので、まったく“別の話”として聞いていただきたい。
ここにあるように、自分は長い間、映画など「コンテンツファイナンス」の実現を志向してきた。うまくいかないことばかりで、金も生まず、つらいことばっかりだったが、それでも、身近な人一人ひとりに、その必要性や有用性を説いてきた。
自分は以前、長らく投資信託の管理部門に従事していたわけだが、同じ「ファンド」とはいっても、「映画ファンド」と「投資信託」は全く違うものだった。特に、収益還元のスキームや、ガバナンス面の不十分さなど、すでに“出来上がった”マス対象の投資信託という金融商品と並列にできないものだと思う。
それでも、きちんとディスクロージャーを行い、また、一定のリスク低下のための取り組みを行うことで、金融機関が提供する投資商品として適用させることができる、と思っている(それこそ、適合性の原則が準拠されなければならないが)。
もう何年も前に、自分が昔いた某証券会社で投資信託の仕事を一緒にしたいた先輩と(その証券会社を離れてから何年もたってから)一緒に飲んだ。その際、自分が一生懸命、「コンテンツファイナンス」について力説するも、
先輩「いいなあ、お前には夢があって」
自分:「いや、夢、とかじゃなくて、これはあくまでも“新規ビジネス”の話なんですって」
先輩「(無視して)夢があるから金がなくても働けるんだなあ。自分はこの間のボーナスが半年で200万だったけど、むなしくてなあ」(11/30追記:200万→500万。●●さん、少なく書いてしまって申し訳ありません!)
自分「(幾分あきれて)そうですか。確かに映画は自分の“夢”でもあります。でもあくまでも“ビジネス”としてお話してるんです。確かに投資対象としてのリスクは大きいですが」
先輩「いや~、酒がうまいなあ。やっぱり夢があるやつと居ると、気持ちがいい」
自分「(無視して)でも、例えば一部を“ノンリコースローン”で賄う、といったケースが事例としてはありますし」
先輩「ノンリコースローン?」
自分「はい。既存の担保ではなく、将来のキャッシュフローを担保に金を借りる方法で。不動産会社の〇〇なんかが最近、マンションでそういった資金調達をしてますよね」
先輩「ふ~ん・・・ようするに、詐欺を始める、ということか。さくら(自分)も大変やのお」
自分「・・・」
この先輩は自分がいた会社でいわゆる“MOF担”(その商品において、ということだが)をしたほどの方だ。金融知識は自分よりもあるはずだ。
にも拘わらず、自分が“知らない”ことは「詐欺だ!」と決めつけ、かつ、後輩である自分が真摯に取り組んでいる“チャレンジ”を、理不尽にも斜めから切って捨てる評価して悦に入っていた。
正直、今に至っても、この方とのこのやりとり(再現性が100%正しいかはわかりませんが)を思うと、悔しくて悔しくて仕方がない。
たまに思い出し、「ちきしょう」と言葉だって出てくる。
一応、大人としてエクスキューズすれば、酒の席での、さらに、以前の会社の先輩後輩というざっくばらんな間柄なので、先方にはさほどの悪意はなかったとは思っているのだが。
自分が、今の(よくわからない)ICOを、理不尽にも斜め見で評価し“まちがってる!”ロジックで切って捨てようとする今の風潮は、この先輩と同じ“視点”が感じられて、非常に悔しいのだ。
知らないから、「胡散臭いもの」とうやむやにしようとするそういった姿勢が嫌なのだ。
何も、可能性があるから規制するな、とも言っていない。むしろ、適正な規制は何で、その対象となるケース、ならないケースは何なのかを、きちんと整理しましょうよ、と言っているに過ぎない。
実際、「セキュリティー・トークン」については、ICOの本家だったアメリカでも、「証券取引(募集)とみなす」「証券取引と同等の規制をすべし」という方向性が見えてきている。
偏見、偏見で臭いものにはふたを、としか考えない人たちに、イノベーションは起こせないし、そんな人だらけの社会には、はっきり言って未来はない。
自分はそう思っている。
(反省)無駄に長文になったが、文章にまとまりを欠いてるな。まあ、とはいえ面倒なので、推敲はしないで、このままUPします。あしからず。
[…] →その5 […]
[…] 三菱UFJ信託のプログマでは、プログマコインを介してデジタル特典・会員権的な扱いの「ユーティリティ・トークン」(参照-昔書いた記事:2018年11月20日『まちがってる!(セナーと金商法についての報道) その1』~その5 、2021年8月25日『NFTをきっかけに、これまでと未来を考える』ほか)との互換性をうたっており、ファンマーケティングへの援用という発展が期待されている。 セキュリティ・トークンを発行する企業など発行体のファイナンスの際、ユーティリティ・トークンの活用も介した相乗効果を見込み、マーケティングの土台になるかもしれない。 そういう観点からも、自分は注視している。 […]