だからといって、日本のコンテンツが「全て海外のプラットフォーマーに持っていかれる」わけではない。
むしろ、こういったグローバル・プラットフォームが出来上がることで、コンテンツの権利者に様々な収益機会が生じるであろうことは間違いない。

そしてそれは、前に書いた通り、将来の収益期待を見越したリスクマネーを供給する投資家を呼び込むことにもつながる。
更に、NETFLIXなどデータの裏付けが有るグローバル・プラットフォーマーでの配給期間経過後は、その作品の潜在的資産価値も測定しうると考えられる。
それは、権利者にとっては転売市場の存在を意味する。
作品が複数のグローバル・プラットフォーマー上でどう消費されたか、あるいは、複数の作品がどういう相関性を持っていたか、等々のトラックレコードを利用できるのであれば、投資家にとっては非常に有益な判断材料となるだろう。

残念ながら、おそらく、ほとんどの作品にはさほどの財産的価値は認められないだろうが、それでも、一部の作品には長期的な価値評価が付くだろうし、その権利を求める需要は場合によれば半永久的にあるかもしれない。

角川会長が講演でおっしゃられたように、巨大プラットフォーマーが搾取に走るのは、ある程度やむをえまい。
それでもなお、いずれ構築されていくであろう新たな「グローバルなコンテンツ流通のエコシステム」においては、「コンテンツ・イズ・キング」なのだ、と思いたい。

楽観的過ぎるだろうか?