●経済効果19億円超!? ハリウッド映画を日本が誘致(Livedoor News/テレ朝news 2021年10月12日 19時40分)
https://news.livedoor.com/article/detail/21017356/
10月22日から日本で公開される日本を舞台にしたハリウッド・アクション映画『G.I.ジョー:漆黒のスネークアイズ』が、内閣府の「外国映像作品ロケ誘致に関する実証調査」の対象作品として誘致され、9600万円の補助金を得て国内で撮影されていた、というニュース。
補助金を出したと言っても十分元は取れていて、撮影クルーが国内の数カ所でロケを行って落とした金額は約19億円で、この後、全世界で公開されてロケ地などに注目が集まれば経済効果はさらに広がり、数百億円にも上る見込みがある、という。
(もちろん、この金額を完全に鵜吞みにすることはできないが)とてもいいことだと思う。
ブログ記事「ロケーション・インセンティブと企画開発費への私見」の頃からなので、ちょうど2年たって実現したことになる。
同ブログ記事で書いた通り、この内閣府の取り組みは、自分が『コンテンツファンド革命』の中で主張していた通りのことなので、(自分は全くかかわっていないものの)感慨深い。
『コンテンツファンド革命』は、2012年から書き出して2013年に出版した。
内容はすでにちょっと古いが、自分がこれまで「未来」に対し臨み、様々な先に提言し、果敢に挑んできた人間だ、という証の一つなので、ご興味のある方はお目通しいただけるとありがたい(です)。
今回のロケーション・インセンティブは、【第4章「政策面での課題」-第2節 政策的支援の提言】に近い内容が記されている。
(その上で、税制優遇的なファンドの利用を提言しているが、これはまだ難しいかもしれない)
なお、すでに映画やドラマというコンテンツを軸にしたビジネスモデルは大きな変革が必要な時代に突入している。これまで「アニメ業界・Netflixの急速な変化と『民主的』コンテンツ製作(考察)」や「SBI・三井住友FGのPTSと新たなエンタメ金融の考察」などでも書いたように、金融側からの変革アプローチの可能性もあり得ると思っている。
一方で、「TikTokと音楽産業と、『ファスト映画』の未来」「『ファスト映画』は害虫なのか?」などで書いたように、映画・ドラマ業界は大きな変化の波に抗していて、将来的な新ビジネス構築のチャンスを逃しているような気がしている。
嫌な言い方をすれば、彼らは“変わらない”ことに価値を求めてすらいるように見える。
「映画」や「ドラマ」はそれでもいいと思う。しかし、「映画ビジネス」「ドラマビジネス」がそれでいいはずがない。
最近、いろいろなところで「日本は安い」という説を見る。
思えば、映画・ドラマ、あるいはアニメなどのクリエイティブ畑は、ずっと“安い”(搾取にあっている)と言われ続けてきた。
そろそろ大きな変化があってしかるべきだ。